傾聴

こんにちは。

5月の連休のことです。

私は体力づくりのため、お休みの日にできるときには、ウォーキングをしています。

いつも歩く道は同じで、地域の図書館まで歩きます。目的地(図書館)まで行き、Uターンをして帰って来ます。

往復1時間40分~50分くらいでしょうか、歩くとけっこうクタクタになります。😓

でも、その日は図書館まで行き、なぜかUターンせず、中に入りました。

中で本を見たり、展示物や掲示物を見て楽しんでいると、ふと、「傾聴ボランティア」という活動の冊子が目に止まりました。

そのような活動があることを初めて知り、興味が湧いたので活動報告書を読んでみたのです。

ボランティア活動をされている方の質問に協会の方が答える形式で載っていたのですが、ボランティアでありながら、カウンセラーとしての条件を備えつつ、私なんぞが言うのも変ですが、皆さん質の高い傾聴をされているので驚きました。

その中で、心に残ったお話や、やりとり、言葉を紹介させていただきたいと思います。

ケース:お金

ある傾聴ボランティアのAさんが、独居の女性宅に訪問していて、生活保護を受けているためか、何でも私(傾聴ボランティアAさん)のことがよく見えてしまうらしい。

「貯金がいっぱいあるでしょ?」とか、「年金はいくらもらっているの?」と尋ねられるそうです。

傾聴ボランティアAさんは適当に交わしているようですが、「正直そのような質問は気分のよいものではありません。」と言っておられます。

そして、どのように対応するのがよいのでしょうか?と質問されていました。

答え:ボランティア協会の方からの返事

やたら妬みがましいことを言われると、イヤだな、と感じるかもしれません。しかし、傾聴ボランティアAさんは適当に交わしておられるとのことで、それでよろしいのではないでしょうか。ただし、突き放すような言い方でなければ。さらに、相手にわかってしまうようなイヤな顏をしながらでないことを祈っています、と。

貯金のことを尋ねられたら、「まあ、人並み」とか、「いや、人並み以下かな?」みたいに少しオトボケに答えられたらよいのではないでしょうか。

また、年金のことも、「まあ、そこそこ、毎月食べていけるくらいですかね」などと答えておられるのでしたら、上手な返し方ではないでしょうか。

もし、相手の方が生活保護を受けておられない方であれば、「〇〇さんこそ、たくさん年金とかもらっていらっしゃるんでしょうね~」といった返し方もあると思いますが、生活保護を受けておられるとわかっている相手に対しては、失礼ですので控えましょう。

その代わり、こう言ってみるのはどうでしょうか。

「お金がいっぱいあればあるで、いいのかもしれませんが、世の中、まあ、お金だけじゃなくて・・・。お金で買えない大事なものもあるんじゃないかと思うのです。

例えばですが、私なんか夫がいないのですけれど、夫がもっと生きててくれていたら・・・なんて、この頃すごく思うのですよ。〇〇さんもお金じゃなくて、大事にしながら生きてこられた何かが、きっとおありにるのではと思います。そんなことを一つ二つでもお聴かせいただけるといいな~と、思いますが・・・。」

そうすれば、「お金」の話から人生今まで頑張って生きてきたことを、何かしら話していただけるかもしれません。

人というのはこの世の中に生きるに当たって、お金だけが大事なことではなく、これでよかったんだ、といった自己肯定感のようなものを感じながら生きて行くことが大事に思います。相手の方とおしゃべりしながら、こんな話になったらいいですね。もちろん、押し付けではなく。

と、このような話し方の提案をされていました。

さらに、人の幸せというのはお金では買えないもので、自分には大事にしなければならない何かがあって、それを守りながら生きてきたという思いや実感が大事だと思います。

聴き手の人生哲学を押し付けることなく、相手の方と幸せの模索の話になるといいですね。幸せについての明確な答えなど「ない」と思いますので。

それと、「正直、そのような質問は気分のよいものではありません」とありますが、傾聴ボランティアとしては、このような思いや態度はできるだけしない、持たないようにできるといいですね。

そもそも、傾聴ボランティアとして相手の話を聴くとき、相手の方は、こちらの気分がよくなる話ばかりしてくれるわけではありません。

私たちは、自分と異なる「他者」の話を聴くのです。「他者」の話とは自分の考えや価値観とは違う話です。

それを受けとめ(受容)、共感しながら(共感的理解)聴くことに、傾聴ボランティアの大いなる力(トレーニングに裏打ちされた能力)を発揮する醍醐味とやりがい、面白さがあるのではないでしょうか。

ちょっと、耳に痛い言い方かもしれませんが、イヤだなと思った瞬間に「イヤな話だけど、しょうがないから聴いてやるか」といった、上から目線になってしまう気がします。気を付けたいと思います。

 

いかがでした?

ちゃんと、相手に(クライアント)に寄り添った姿勢で、来談者中心療法をされてますね。

傾聴ボランティア協会さんは、活動の目的は、お話を聴くこと自体ではなく、相手の方といかに有意義でいい時間を過ごせるか、ということだと言われています。

これはカウンセリングで、カウンセラーとクライアントが「ラ・ポール」(信頼関係)を築くことと同じだと思います。

こういったことをボランティアで活動されていることの意味とは、何なのか?

改まったカウンセリングでなくても、「お話を聴いてもらいたい、人と会話をしたい」と思っている方がたくさんおられるということのなですね。

 

今日も幸せな一日でありますように☂

 

 

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