縁を結ぶ神様ー月下老人

こんにちは。

前回、ソウルメイトや縁について書きました。

今回は、縁結びの神様として知られている月下老人を見ることができたという男性のお話があり、とても興味深く、感動したのでここに書きます。(続幽怪録という書に載っているそうです。)

唐の時代に韋固(いこ)という男性がいました。

韋固は幼少期に孤児となったため、早く結婚して家族を持ちたいと望んでいました。しかし、これまで何度も相手を探してもうまくいきませんでした。

それでもあきらめず、新しい縁談相手と会う約束の場所へ行きます。

待ち合わせ場所に行くと一人の老人が月明かりで書物を読んでいました。韋固は横からその書物を覗き込んでみましたが、見たことのない文字が並んでいます。その書物が何なのか老人に聞いてみます。

すると老人は「この世の本ではなく、あの世の本である」と答えます。老人がなぜ、こんなところであの世の本を読んでいるのか尋ねます。

老人はあちらの世界の幽吏(あちらの世界の役人)で、婚姻の管理をしていると答えます。そこで、韋固はこれから見合いをする娘とうまくいくか聞きますが、老人は韋固にはすでに決まった相手がいるので、今から会う娘とはうまくいかないとはっきり告げます。

老人は袋を持っていて、その中に赤い糸が入っています。この赤い糸をあちらの世界で夫婦になることが決まった男女の足に、この老人が結びに行くと言うのです。

赤い糸が結ばれると、どのような困難なことがあっても必ず夫婦になる、と韋固は教えられます。

韋固の妻になる女性は今3歳で、その子と赤い糸がしっかり結ばれているため、他の女性との縁はない、と予言します。

韋固はその子が気になり、老人に連れられ見に行くことにしました。市場に着くと、野菜を売っている老女の娘で、大変みずぼらしく醜い女の子がいました。

「あの女の子が、君の妻だよ」と教えられます。

韋固はたいそうガッカリし、身分的にも釣り合わない思い、召使いに女の子を殺すよう命じます。

召使いは刀を持って市場に行きましたが、老女が邪魔をして女の子の心臓ではなく眉間に傷をつけただけで終わってしまいました。

その後も韋固の縁談はまとまらず、14年たって、やっと州長官の17歳の娘を妻にすることができました。美しい娘ですが、眉間に傷があります。

韋固はその理由を聞くと、乳母だった女性に育てられていたころ、暴漢に襲われ眉間に怪我をしたと言います。

韋固は14年前、月下の下で出会った老人とのやりとりを思い出し、妻があの時の女の子だと知るのです。妻は「数奇なことです。これは運命です」と言い、2人は末永く仲良く暮らしたということです。

 

今日も素敵な一日でありますように。

 

 

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