こんにちは。
前項の続きです。
アドラー心理学では、課題を分離するということは、起きている事象(問題)は「誰の課題」なのか、ということを考えます。
「誰の課題」なのかは、「誰の責任」なのかに言い換えることができます。
よって、誰の課題かは最終的に誰が責任を引き受けなければならないのかを考えればわかります。
自分の課題なのか、他者の課題なのかを明確にして、自分の課題であれば自分で解決しなければなりません。
もし、他者の課題であれば、相手の課題には介入しません。
例えば、会社に理不尽でいつも感情的に怒鳴る上司がいるとします。この上司の理不尽でいつも怒鳴るという現象は上司の課題であって、上司自身が責任を引き受けなければならないと考えます。
従って、こちらは上司の理不尽な感情に対応してはならないと考えます。
その言葉を受け、ネガティブになり仕事に影響するということはこちらの課題になります。こちらがすべきことは、きっちりと仕事をやりこなす、ということです。
原則的には人の課題を引き受けることはできませんし、自分の課題を他の人に解決してもらうこともできません。上司の態度に腹を立てて、上司に何か行動したり言うことはできないということになります。
しかしながら現状は誰の課題なのか、そう簡単にはわからないほど課題が混同されているので、アドラーは糸をほぐすように、これは誰の課題、これは誰の課題というふうに課題をきちんと分けなければならないと説きます。
この作業を「課題の分離」といいます。
そうはいっても、時には自分の抱える問題が大きなもので、自分の課題として自分で解決することが困難なこともあります。そのような場合には、他の人の援助を受けなければなりませんし、他の人を援助するということもあります。
共同の課題として、解決しなければならないこともあります。課題の分離はきちんと行って、そのうえで頼まれたりお願いされれば共に協力し合います。
大切なのは、頼まれもしないのにこちらが勝手に助けが必要と判断し、手出し口出しはしない、ということです。
いずれにしても、共同の課題にするのは自分で解決できないときについてだということです。※アドラー心理学入門 岸見一郎著書参考
今日もご笑覧いただきありがとうございます。素敵な一日となりますように!
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