高齢者と薬

こんにちは。

今日は、雨の降る肌寒い一日となりました。

ここの事務所では暖房が入っています。

 

以前、老人保健施設で働いていた頃のことです。

その入居者Fさんは、たしか90歳の女性で、軽い認知症があり、ちゃんとした会話のやりとりは無理でしたけど、歩行器を使って自分で歩いたり、食事も自分で食べていたのです。トイレや着替えは介助が必要でしたが、よくニコニコされて、笑顔が素敵な女性の方でした。

ところが、ある日、片側の足や手が動かせなくなってしまい、どうやら脳梗塞ということで、新たに薬が出ました。

それまで、たしか眠剤しか処方されていなかったのに、たくさんの薬が処方されました。

その後、介護度が一気に進み、移動は歩行器ではなく車椅子になり、食事も全介助、排泄は以前はトイレで介助だったのが、ベッドでおむつ交換になったのです。ほんの数日でそのレベルまで下がってしまいました。

新たな薬を飲む前は、もう少し介助しながらできることがあったのです。

それから、ほとんど起き上がることもできず、一日中ベッドで過ごすことになってしまいました。表情はほとんど無く、素敵な笑顔が見られなくなってしまいました。ほんの僅かな間に。

Fさんは1か月ほどして、病院へと替わって行かれました。

新たに処方された薬を飲み始めてから、介護度が階段を転げ落ちるように悪くなりました。

施設の看護師さんに、Fさんの病気と薬の関係について聞きましたけど、はっきりした答えは聞けなかったです。

今度は同施設の他ユニットの入居者、Yさんのことですで。この方は認知症がかなり進んでいて、醜態をついたり、さわいだりと大変な方です。持っている携帯で警察に電話して「虐待されてます」と、言ってしまう方です。虐待なんてされてないのにです。

それに、他の入居者の方の部屋に勝手に入って、窓を開けベランダから「たすけてぇ~。虐待されている~」と叫ぶのです。

何と人騒がせな方で、介護士は振り回されて大変です。このような場合は、看護師に報告し、先生から薬の処方がされます。その薬、服薬するとすごいですよ。即、おとなしくなって、椅子に座ったままじっとして、介護士から移動を促すまで、その状態です。

先日TVで、介護施設でたくさんの種類の薬を飲んでいた認知症の方が、薬の量を減らし最小限の薬にしたならば、認知症が良くなった、と言っていました。

年老いてきて、体のあちこちに支障が出て、その度に薬が出され飲んでいれば、薬のせいで悪くなることもあるということです。

高齢だから、治すわけではないから、と言っていい加減でいいはずはありません。もっと、薬に対して考えることが、今後の介護のあり方にも繋がるのでは、と思います。

今、空が明るくなって、太陽も出ています!

素敵な週末になりそうですね。

 

 

 

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