一昨日、テレビで「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組を観ました。 それは、ノーブランドの肉を手間暇かけて、最高ランクの味に匹敵するくらいに、生まれ変わらせる、というある精肉店の店主のお話でした。
店主は18年もの歳月をかけ、研究を積み重ね、独自のやり方、下処理を施します。 テレビの中でそれを「手当て」と言っていました。 そして、9年かけて育てた微生物や菌を使い、熟成させます。この熟成させるのに、肉とまるで語るように、一番いい状態まで攻めるのです。
「この子(肉)が、一番いい状態になった時が、正しい肉」とも言っていました。 “正しい肉”という言葉も響きました。肉に熟成という魔法をかけることで、その肉が本来持っていた個性を引き出すそうです。
霜降り肉が美味しいのは当然で、生産者も高く売れる霜降り肉用の牛を育てようとします。 けれど、あえて霜降りではない、ノーブランドや経産牛、赤身肉をそういった肉こそ、美味しくしたいと語る店主。
ここまで来るのに、どん底時代があったと言っていました。 そのどん底時代に、そこで考え方をガラリと変えたようです。 店主が生きる道として掲げたのは、「本物」を手掛けること、すなわち、茨の道でもあったのです。
安楽な道より苦難な道にこそ、生きる意味があると確信されたのだと思います。 これは、店主に限らずどんな人の人生にも言えることではないでしょうか。
この店主が手掛ける熟成=手当というものは、それは肉の状態を見ながら、変化させていきます。少しの変化も見逃しません。これこそ、熟練の施しとも言うべきでしょう。
そんな店主の魔法をかけられた肉を食した人たちは、テレビで「こんな美味しいお肉は食べたことない」と褒めていました。
最後にアナウンサーが「〇〇さんにとって、プロフェッショナルとはどういう意味(こと)ですか?」と店主に聞きました。 店主は「その仕事に、命をかけること」と答えていました。
店主は、利益を追い求めていた頃より、正しい肉を求めた結果、利益のみならず、信用も名声も得られたのだと。 そして、成功者は必ずどん底を味わっているということ。
私は感動して、いろいろなことを考えさせられました。
今日も、あなたが輝ける一日になりますように!
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