紛失したノート

勤めている会社で、あるノートが紛失しました。そのノートを手にするのは3人です。Aさん、Bさん、私の3人です。Aさんは、毎日、日々の労働人数をノートに記録します。私は、毎日そのノートを元に書類作成の準備段階として、人数を入力します。Bさんは、毎日ではなく、定期的に閲覧し、自分の書類を作成するようです。

私とAさんはそのノートがないと、毎日困ることになるのでノートを捜しました。私は自分の机の中から周辺へと捜します。Aさんも自分のところを捜しました。けれど、どこにも見つかりません。                            Bさんはというと、知らんぷりで他人事のように、「ノートを見るのはこの3人しか、いないんだ」と言っています。

因みに、Bさんの机の上は書類で溢れ返っています。整理整頓されていません。こんなに私たちが捜しているのに、ノートを手にする一人なのに、捜さないというのは、きっと、自分のところには絶対ない!と確信があるんだわ~、きっと。         でも、どれだけ捜しても出てこないので、諦めて、新・ノートを作ることにしました。

数日が経ち、Bさんがお休みをしました。私は、以前からBさんの机の上の無造作に置かれた書類の山が、とっても怪しいと思っていたので、上から書類を一枚づつ取っていくと、いくと・・・、何と、例のノートがあるではないですか!

あー、やっぱり、ここにあったんだ。まったくBさん、他人事のように言って、捜すこともしないで、あー、腹立たしい、もうー。捜した時には見つからなかったけど、今になって出てきた。のならば、まだマシです。ここには絶対「ない」と言わんばかりに、皆が捜しているときに捜しもせずに、です。怒りが度を越して、呆れて、私の中ではBさんがとーても、嫌な存在になりました。補足ですが、Bさんは今までにも自分勝手なところがあり、他の人からも疎まれています。

私は、AさんにノートがBさんのところから見つかったことを伝え、当然、怒るだろう。と思っていたら、Aさんは違いました。Aさんは「やられた~」と笑いながら言います。私が見つかったノートをどうするか、聞くと、「そのままでいい」と言います。「新しいノートを作ったから、それはそのままにしておいて、新・ノートでやっていこう!」と言います。                              たしかに、そうすれば、何事もなく過ぎます。それが、正しいか正しくないのかはわかりませんけど、私は考えてみました。

もし、Bさんのところにノートがあったことを言えば、Bさんを責めることになります。そうすれば、Bさんは内心嫌な思いをするでしょう。それは低い波長になり私のところに飛んできます。私は悪い念を受けてしまいます。              Aさんのように笑って見過ごす、相手にしない、動揺しない、などできれば、悪い念を飛ばされなくて済みます。

なるほど~、言わなくてもいいこともある。私は、Aさんに、人の接し方を教わりました。 人騒がせなBさんは、きっと直されるときに、直すべき人によって矯正されるのでしょう。

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