相手を傷つけずに自己主張すること(アサーション)

このたびの北海道の地震により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。台風が過ぎ去った直後の地震で大変驚き、また、被災地の皆様のショックはいかばかりかとご心痛申し上げます。

ライフラインがストップしてしまうと私たちは怒涛に迷い、不安に陥ってしまいます。一日も早い復旧を願い、皆様の不安が少しでも軽減されることを心からお祈り申し上げます。

・アサーションとは

「今度のお休みにわが家でホームパーティーするから来ない?」と友達から誘われました。聞けば、そのパーティーの参加者はほとんど知らない人達ばかりです。自分は社交的ではないので初対面の人との会話が楽しめそうにありません。つまり、ホームパーティーに行きたくないのです。けれど、せっかく誘ってくれた友達をがっかりさせてしまうと思い、内心とは裏腹に「参加するよ」と返事をします。

自分が我慢して参加すれば相手は喜び、相手との関係は今まで通り続くと考えられます。表面上は平和で波風立たない関係が続くかもしれませんが、この場合、自分の素直な気持ちを抑制しています。抑制し続けると、体に不調をきたします。(頭痛・腹痛・肩こり・感情の抑制によりストレスが蓄積する)結果、抑制し続けた思いは「あれほど我慢してあげたのに」というように、相手への怒りとなって出てきてしまいます。

長い間、丁寧で謙虚な態度をとっていた挙句、ある時から、まったく無表情になり、会話の投げかけに反応しなくなったりします。

では、このような時、どうしたら良いのでしょう?

自分の気持ちに正直に、と同時に相手のことも大切にする自己表現ができれば人間関係はより豊かになっていくのではないでしょうか。このように、自分も相手をも大切にしながら自己表現することがアサーションなのです。

・アサーションの3つのタイプ

1.攻撃的タイプ(アグレッシブ)

自分の主張ははっきり伝えるが、相手の気持ちを無視し押し付ける。物事を勝ち負けで決めたり、相手より優位に立とうとする。

2.非主張的タイプ(ノン・アサーティブ)

自分の気持ちはさておいて相手を立てる。気持ちや意見を表現しなかったり、しそこなったりする。

3.アサーションなタイプ

自分のことをまず考えるとともに、相手のことも大切にし、その場にふさわしい表現方法ができること。その結果として相手とぶつかることもあるが、納得がいくまでお互い意見を出し合い結果を出す、一番理想的なタイプ。

以上、3つのタイプがありますが、すべてをこの3つのタイプの型に当てはめることはできません。時と状況と相手によって言動は変わってきます。

冒頭の例でアサーションタイプでの断り方を考えてみます。

「せっかく誘ってもらったのだけど、ほとんど顔見知りの人がいないようなので内向的な自分は会話を楽しめるか心配なんだ」と伝える。そして、「この次、自分の顔見知りの人たちが集う会ならば、ぜひ参加したい」と自己表現してみる。

どうでしょうか?

まず、状況を説明し、提案・譲渡をもちかけ相談するかたちにもっていく。自分の気持ちに正直なので、自分を大切にし相手をも大切にしながら自己主張しています。

このように、お互いに歩み寄るスペースがどこかに探せないかといつも思いながら、コミュニケーションを交わしていくことがアサーションであり、大切です。時には葛藤することもありますが、葛藤を避けてその場の平和を得ることより、葛藤の末、歩み寄りによって得られたものこそが、本物なのです。

 

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