思い込みをはずす

今日は「悩みというのは、結構自分で作っていたりする」というお話です。

Tさん(女性)は看護系大学を卒業後、すぐに系列の大手大学病院へ就職した中堅看護師です。就職後8年間、職場において大きな問題もなく順調にキャリアを積んできました。あるとき、自身の専門の領域から、全く違う領域へ配置転換になりました。                           そこで、Tさんにとっての新しい領域のキャリアを築く出発となるはずだったのですが、Tさんは思ってもいない状況に直面し、体調を崩してしまったのです。

Tさんは「同僚の目が怖くて、一つ一つの仕事を確認しなくてはならず、思うように仕事を進めることができない」「自分に自信が持てなくて、今までの自分は何だったのかわからなくなる」と言います。                                また、「職場を異動してから、自分のすること全てを評価されているように感じる」とのことです。

Tさんは自分の仕事に誇りを持ち、それに答えるかのように実績を積んできました。「私はこれまでもうまくやってきて、これからもうまくやっていけると思っていました。今ができないわけでなく、何をするも一つ一つ不安で、できないことが多くなって、こんな自分が情けなくて、この状態が続くのなら、この仕事を辞めたい」と言います。

今までとは違う、経験のない業務内容の中でTさんは、本当の自分を見失ってしまった喪失感や、何も対応できない自分への嫌悪感にとらわれ、過度の緊張状態になっているようです。このような症状をあえて言うならば、アウトバーン、リアリティショックでしょうか。

こういったことは何も特別なことではありません。誰にも起こりうることです。             しかしながら、このような症状は援助職の現場でよくみられるようです。

Tさんの新しい職場での仕事の評価は決して悪いものではなく、8割はこなしていました。ただ、Tさんに思い込みがあったのです。

・これまでと違う仕事を同僚の前でやる                           ・失敗したらどうしよう                                       ・同僚の前で決して失敗はしてはならない

「失敗したらいけない」などの思い込みは誰がつくりあげているのでしょうか。                      Tさんの持つ「どうしよう」「自分はできていない」といった思考や感覚がつくりあげていると考えられます。                               言い換えると、Tさんの困りごとはTさん自身がつくりあげていると言えます。

現状の物事をどのように感じて自分の中に落とし込むかは、その人の主観的感情や思考によります。これが妥当でないとこのように自分で自分を苦しめてしまいます。自分でその枠組をつくり、そこからはみ出てしまうと他者の目(評価)が気になります。

その枠組みを、思い込みをはずしませんか?                          他者はこちらが思うほど、関心がなかったりします。

今日もあなたにとって、素敵な一日でありますように。

 

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